
深川屋の暖簾をくぐり 右手の格子窓手前にぶら下がる行灯。昔は母屋の坪庭廊下にありました。枠の内側には江戸時代の大福帳が張られています。この行灯は 中にある火皿台の上のお皿に 菜種油を入れ それに浸した木綿の灯心に点火をして使われていました。もちろんその灯りはとても暗く 月明かりにもかなわない光でした。江戸時代 夜は暗くて当たり前 。人々は五感を最大限に動かし 見えにくいものを感じ見て暮らしていたのです。たとえほんのりとした灯りでも 五感を助ける貴重な行灯でした。灯りに揺れる 桜の紋様と 大福帳の文字の影も きっと安らぎの中で見つめていたのでしょう。
現在は この行灯の中に電球を入れ 黄色い光を演出させています。近い将来 世の中が全てLED照明に変わったあと 今の様な風情を保てるのか心配です。大手電気メーカーに桜色のLED照明がありますが いくら桜の紋様でも行灯の光は暖かみのある炎色であってほしい。そんな日本人の心がずっと続いていくことを願っています。
銘菓 関の戸 15個入り 850円~
519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008
9時~18時 出来上がりから売り切れまで
毎週木曜日定休

七福神。
弁財天様は水の神様。財産に通じる文字から景気が良さそうに祭られ銭洗い天とも言われる女性の神様です。
戎様は商売繁盛の神様。いつもニコニコえびす顔。右手に釣竿 左手に鯛 本当は釣りの神様で 五穀豊穣 家内安全まで担う神様です。
毘沙門天は人々を守る四天王の一人で 左手に宝塔 右手に金剛棒 二体の邪鬼を踏みつけています。使者はムカデだそうです。
布袋様は唯一の実在人物で 10世紀の中国の和尚さん。小柄で太鼓腹 予知能力があり未来を予見しながら人々を幸福へ導いたと言われ 夢や和合の神様です。
福禄寿は3つの願いの神様。子宝 財産 長寿の三徳を具現化しています。背が低く長頭で長い髭をはやし 杖に経巻を結び鶴を伴っている神様です。
寿老人は長寿の神様。不死の薬と不老長寿の桃を持ち 一説には福禄寿と同一人物とも言われています。
そして大黒様。七福神の中で一番の景気の神様です。米俵の上に立ち 宝の詰まった大袋を抱え 大判小判がザクザクの打ちでの小槌を掲げて微笑む神様。実は大国主のみことと言われています。因幡の白うさぎで有名ですが 古事記の中では 様々ないじめに遭いながらも ひたすら誠実を貫き 最後には大いなる国の王になったという神様です。
深川屋の大黒様は全長約55㎝。店先の左手すみで微笑んでいます。日本で最初のいじめ被害者とも言われる大黒様の願いは我慢ではなくいじめ撲滅。抱えた堪忍袋が大きくならぬ様な世の中を願っています。
銘菓 関の戸 15個入り 850円~
519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008
9時~18時 出来上がりから売り切れまで
毎週木曜日定休

1760年に生まれた葛飾北斎は90年の生涯に約3万点もの作品を残した浮世絵師です。歌川広重は景観描写に主眼が置かれていたのに対し 北斎は各宿場の生活や旅人に興味を注いで東海道を描きました。写真は1800年前後の作品 東京富士美術館所蔵の「関」です。この東海道の揃物には狂歌が添えられているのですが 関の絵にある狂歌の最後の二行に驚きました。

「初とりの 音に関の戸も明てゆく」
関の戸の言葉に驚いただけでなく 「初とり」にびっくり。これは正に「服部」をもじっている言葉だと確信しました。 多分第6代目か7代目の服部吉右衛門と言葉を交わした北斎の姿を想像してしまいます。初とりの意味は美術館の方も知らないでしょう。ここだけの秘密です。
銘菓 関の戸 15個入り 850円~
519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008
9時~18時 出来上がりから売り切れまで
毎週木曜日定休

今年も関宿と亀山宿でひな街道が始まります。二つの宿場で84ヶ所の町家に並ぶ様々な雛人形を楽しめる1ヶ月です。 深川屋の雛人形は江戸末期 第9代目の妻おとらさんの嫁入り道具のお雛様です。江戸時代 享保雛という とても大きな雛飾りが流行りすぎたため 幕府により24センチ以上の雛人形の製造販売が禁止された後の流れを汲む飾りです。 そして今年は我が家の娘の平成の雛人形も飾りました。

江戸時代 日本では向かって右側が位が高いとされたため 京飾りはお内裏様がお雛様の左側に飾られます。ところが明治時代 西洋文化の影響が強くなり 大正天皇は即位の礼において世界共通の位置に習い それまでとは逆に皇后陛下の右にお並びになりました。その事をきっかけとし 関東雛の並びも変わり今に至るそうです。 百年以上の時を挟んだ二つの雛飾りの位置も見る事ができる今年の深川屋です。 3月10日まで スタンプラリー等のイベントも開催されます。
銘菓 関の戸 15個入り 850円~
519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008
9時~18時 出来上がりから売り切れまで
毎週木曜日定休


庭訓往来とは往来物(往復の手紙)の形式で書かれ 寺子屋で習字や読本として使用された初級の教科書の一つです。南北朝から室町にかけて 僧玄恵によってまとめられたとされています。
深川屋には 服部氏常松と記された庭訓往来が残っています。常松とは安政五年(1858年)四月に68才で没した第七代目吉右衛門保行の幼少期の名です。常松10才前後だとすると1800年頃の教科書です。この中から 思いもよらぬ物が出てきました。「銀杏の葉」です。関宿にあった寺子屋の場所は特定されていませんが おそらく関の地蔵院の銀杏の樹から落ちた葉だと思われます。退屈な勉学を紛らわすためか はたまた勉学習得の証としてか 袋になったそれぞれのページに 押し葉された銀杏の葉が たくさん挟まれていました。

江戸時代 日本の植物等を採取しオランダに持ち帰ったシーボルトは初来日が1823年でした。今もライデン博物館には当時の標本が残されているそうです。この銀杏の葉はシーボルトよりも更に数十年古い葉になるわけです。意味もなく これだけの数の葉を挟むわけもなく 約200年前の常松から届いた何かのメッセージを色々と想像しています。
因みに ライデン博物館にある大サンショウウオの標本は関の山中より捕獲した物だそうです。
銘菓 関の戸 15個入り 850円~
519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008
9時~18時 出来上がりから売り切れまで
毎週木曜日定休