カテゴリー[本店展示品物語]

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庭訓往来とは往来物(往復の手紙)の形式で書かれ 寺子屋で習字や読本として使用された初級の教科書の一つです。南北朝から室町にかけて 僧玄恵によってまとめられたとされています。
深川屋には 服部氏常松と記された庭訓往来が残っています。常松とは安政五年(1858年)四月に68才で没した第七代目吉右衛門保行の幼少期の名です。常松10才前後だとすると1800年頃の教科書です。この中から 思いもよらぬ物が出てきました。「銀杏の葉」です。関宿にあった寺子屋の場所は特定されていませんが おそらく関の地蔵院の銀杏の樹から落ちた葉だと思われます。退屈な勉学を紛らわすためか はたまた勉学習得の証としてか 袋になったそれぞれのページに 押し葉された銀杏の葉が たくさん挟まれていました。

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江戸時代 日本の植物等を採取しオランダに持ち帰ったシーボルトは初来日が1823年でした。今もライデン博物館には当時の標本が残されているそうです。この銀杏の葉はシーボルトよりも更に数十年古い葉になるわけです。意味もなく これだけの数の葉を挟むわけもなく 約200年前の常松から届いた何かのメッセージを色々と想像しています。

因みに ライデン博物館にある大サンショウウオの標本は関の山中より捕獲した物だそうです。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

毎週木曜日定休

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萬古焼(万古焼、ばんこやき)は、三重県四日市の特産品として広く知られている陶磁器 焼き 物の一つです。その歴史は18世紀後半から続き 耐熱性に優れているのが特徴です。陶器と磁 器の間の性質を持つ半磁器(炻器)に分類され ていて 明治になると洋食器等も作られ 今でも世界中に輸出されている三重県ブランドです。
さて 写真の器は 江戸時代に作られた萬古焼きの蒸し器です。お客様がいらした折り 囲炉裏や火鉢を囲みながら そこで沸かした湯の上にこの器を乗せます。中に入れたお饅頭は お客様の目の前でアツアツ蒸したてになり その場ですぐにお召し上がり頂くための 江戸時代の電子レンジなのでしょう。器の姿 絵柄や色合いを楽しみながらのひとときと合わせて 大切な時間を過ごすために作られた おもてなしの器なのです。今 この器を使ってみたいのですが いくら耐熱性に優れた萬古焼きだからとて 割れてしまったら二度と作れない器です。大切に展示しています。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

毎週木曜日定休

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深川屋には江戸時代から明治にかけてのお干菓子の菓子型が200以上も残っています。深川屋は銘菓関の戸だけしか作っていないはずと思われていますが 江戸時代は色々な和菓子を販売していました。お砂糖が高級品だった当時 その中でも最高級の和三盆糖を使う関の戸はとても高価な和菓子だったため誰もが気軽に買い求めることはできませんでした。しかし御所やお殿様への茶菓子だけでは商売は成り立ちません。古いレシピを書いた「菓子仕法控」には数十種類の和菓子の作り方が記されています。干菓子は慶事や仏事の席に欠かせない和菓子として町の和菓子屋はいつでも注文を受ける準備をしていました。木製の菓子型にお砂糖を押し固め作る干菓子は四季折々のモチーフを使い食紅で丁寧に色付けをするとても鮮やかな和菓子でした。手彫りで作る菓子型職人の数は今では少なくなり 現在も干菓子を作る菓子屋は昔ながらの菓子型を丁寧に使い続けているのです。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

毎週木曜日定休

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龕灯提灯は江戸時代の懐中電灯です。勿論灯りはロウソクですが 龕灯の中の燭台に特徴があるのです。
どこに向けても常にロウソクは上を向いて立つように動き 更に必ず炎の真上には鉄のすす受けが配置されるように工夫されているのです。
炎のついたままでもその場に置けば 中の酸素が無くなり炎も自然に消える等 たくさんの先人の知恵がぎっしりと詰まった懐中電灯なのです。
進行方向だけを照らすため 敵に見つかりにくいのも 討ち入りに使われたとされる理由なのでしょう。龕灯を強盗提灯と表記する事もあるのは そんな流れの理由かもしれません。
私たちの子供の頃 地球コマというコマが流行りました。正に龕灯の中の燭台の原理を利用したコマだったのです。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

毎週木曜日定休

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深川屋にある窓を虫籠窓(むしこまど)と言います。細い縦格子に漆喰を塗り 風通しや ささやかな明かりのための窓です。その名は字の如く 虫を入れる虫かごに似ているからという説と 酒屋や麹屋が酒を蒸す時に使った蒸子(むしこ)に似ているからと二つあり 前者が有力と伝えられています。

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虫になった気分で 内側から外を覗くと 隙間の様な空間でも 東海道を見下ろす事が出来ます。しかし 通りからは虫籠窓の中の様子は殆ど見えないのが特徴です。江戸時代 参勤交代などで 身分の高いお殿様の行列をこの窓から見下ろしていても 見つかる事はなかったのでしょう。

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関宿に残る江戸時代の虫籠窓は 一棟に二つ備えている建物が多く その二つの窓は 同じ大きさではない事も特徴です。深川屋も東側が西側の約二倍の大きさがあり 左右非対称に造られています。明治以降の建築には左右対称の虫籠窓もあります。

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江戸時代には 窓の縁を黒い漆喰で飾ったり 縁を楕円に細工したりと 流行りを取り入れ 町なみを行き交う人々の目を 楽しませた虫籠窓です。

銘菓  関の戸   15個入り  850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

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9時~18時  出来上がりから売り切れまで

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「関の戸」という言葉が全く別の世界で使われています。江戸時代安永3年(1774年) 伊勢の海部屋の関脇に関の戸という力士がいました。現在 境川部屋の元小結 岩木山が 第十八代 年寄関の戸を継いでいます。
歌舞伎にも関の戸という物語があります。「積恋雪関扉   つもるこい ゆきの せきのと」は逢坂の関を舞台に繰り広げられる悲恋の物語。天明4年(1784年)の初舞台以降 歴代の役者が小町桜の精として女形を演じてきました。戦後の歌舞伎界の女形の最高峰といわれた第六代目 中村歌右衛門の十八番です。今 建て替えの真っ最中である銀座歌舞伎座で 中村歌右衛門が関扉を演じる度に 楽屋に銘菓 関の戸をお届けに上がりました。鏡の前でお化粧をされながら 手招きをして私を呼び 敷居を越えてお側に寄らせて頂き 色々なお言葉を戴きました。2001年に他界される少し前に描いて頂いた直筆の色紙が深川屋の片隅に飾られています。
相撲 歌舞伎 そして和菓子と それぞれの日本の文化の中に残された「せきのと」という言葉。江戸時代の人々がどの様なイメージを抱いて使っていた言葉なのか  時折考えながら「関の戸」を作っています。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

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9時~18時 出来上がりから売り切れまで

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銘菓 関の戸はお抹茶のお手茶菓子として今から約370年前にこの世に生まれました。鈴鹿の峰に降り積もる白雪になぞらえたと伝わるお伴で 御所や諸大名の冬季のお茶席に広く使われたお菓子です。お茶席に出向く折り 茶碗や茶筅 お抹茶を入れる棗等を入れた籠が茶籠です。深川屋にある茶籠は 編み方も複雑で 蓋の裏には螺鈿細工の花があしらわれ 素朴な外見からは想像もつかない雅な籠です。お茶席で蓋を開けた時の感動をも おもてなしをする一服のお茶への演出なのでしょう。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

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毎週木曜日定休

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鎌倉時代より盛んに遊ばれていた双六は主に盤双六と言われ 和製バックギャモンの様な形をしていました。子どもたちの遊びではなく賭博の道具であり イメージが異なります。江戸時代元禄の頃 絵双六が登場し 歌舞伎や景色をモチーフにした色彩豊かなゲームとして広く遊ばれる様になったのです。一枚目の写真は江戸時代の絵双六です。道中双六 東海道五十三次の旅を二つのサイコロを使って遊びました。同じ東海道を描いた明治時代の双六が下の写真。文明開化双六です。二つの双六には大きな違いがあります。それは江戸時代の上がりは京都  明治の上がりは東京に変わっている事。更に江戸時代の双六には朱色と呼ばれる赤が使われ 明治の赤は真っ赤になっているのも特徴です。文明開化と同時に時代がキナ臭い流れになって行く そんな背景も伺わせる赤なのです。

銘菓 関の戸 15個入り 850円~

519-1112 三重県亀山市関町中町387

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9時~18時 出来上がりから売り切れま で

毎週木曜日定休

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東海道五十三次宿場町を染付けた大皿。高10.0 径65.3 底径40.1。火に入れ1割強縮んだとするなら 染付けの段階では直径70センチ近かった伊万里焼です。各宿のデザインは やはり広重の版画をモチーフにした様な共通点がいくつかあり 江戸時代末の作品です。このお皿で河豚でも食べたいといつも思うのですが 誰がお皿を洗うのかを考えると 怖くて使うことができません。
深川屋二階展示室。要予約。

同じ大皿が東京国立博物館にあります。高8.1 径50.3 底径29.4。

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銘菓 関の戸 15個入り 850円~

519-1112 三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008

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東海道五十三次の金屏風。六曲一双型が二隻の全十二扇からなる絵巻です。手前上の日本橋より一番奥の三条大橋まで五十五宿が細かく描かれており 各宿の特徴もよくわかります。作者は不明。しかし歌川広重の版画と被る構図があり 同時期の作品であると推測されます。二枚目の写真 関宿の絵も 広重の本陣朝立ちをモチーフにした様です。今のように気軽に旅に出ることの出来ない時代  家にいながら旅の気分を味わう事ができ  また 関宿を訪れる旅人との 暖かな会話のきっかけにもなった事でしょう。全長約8メートル。深川屋二階展示室。要予約。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387
0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

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