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深川屋の暖簾をくぐり 右手の格子窓手前にぶら下がる行灯。昔は母屋の坪庭廊下にありました。枠の内側には江戸時代の大福帳が張られています。この行灯は 中にある火皿台の上のお皿に 菜種油を入れ それに浸した木綿の灯心に点火をして使われていました。もちろんその灯りはとても暗く 月明かりにもかなわない光でした。江戸時代 夜は暗くて当たり前 。人々は五感を最大限に動かし 見えにくいものを感じ見て暮らしていたのです。たとえほんのりとした灯りでも 五感を助ける貴重な行灯でした。灯りに揺れる 桜の紋様と 大福帳の文字の影も きっと安らぎの中で見つめていたのでしょう。
現在は この行灯の中に電球を入れ 黄色い光を演出させています。近い将来 世の中が全てLED照明に変わったあと 今の様な風情を保てるのか心配です。大手電気メーカーに桜色のLED照明がありますが いくら桜の紋様でも行灯の光は暖かみのある炎色であってほしい。そんな日本人の心がずっと続いていくことを願っています。

銘菓 関の戸  15個入り   850円~

519-1112
三重県亀山市関町中町387

0595-96-0008

9時~18時 出来上がりから売り切れまで

毎週木曜日定休

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